【ネタバレ注意!】『豪華客船の爆弾魔事件』の裏話

絶賛発売中のお嬢様探偵ありすシリーズ第三弾『豪華客船の爆弾魔事件』について裏話なんぞを書こうかと思います。

もし、未読のかたで、まったく前知識なしで作品を楽しみたいという場合には、以下の文章はネタバレのおそれがありますので、ご注意くださいませ。

といっても、まあ、トリックをばらしちゃうわけじゃないので、そんなに気にすることもないとは思うのですが……。

 

 

 

 

 

 

というわけで、今回の『豪華客船の爆弾魔事件』には、双子が出てきます。

そこで、私のお気に入りの「双子トリック」について語るの巻です。

『マジックミラー』(講談社) 有栖川有栖
最初から双子モノとわかっていてもネタバレにならないミステリの名作です。
大学時代に、推理小説というものへの情熱に感銘を受けた思い出の作品です。

『殺しの双曲線』(講談社) 西村京太郎
「ノックスの十戒」をふまえて、きちんと冒頭で、メイントリックは双生児を利用したものですと宣言しています。
西村京太郎氏といえば、テレビドラマ化されている十津川警部シリーズでおなじみですが、この作品を読むと、推理小説作家としての心意気を感じます。

『悪童日記』(早川書房) アゴタ・クリストフ 堀茂樹訳
双子の「ぼくら」が、戦時下の自分たちの生活をノートに綴っていくという形式で、その簡素な文体がとても美しく、大好きな作品です。
この作品はミステリというジャンルではないのかもしれませんが、「あっと驚く結末」が待っていました。

「カザリとヨーコ」『ZOO』(集英社)に収録 乙一
双子トリックといえば、この作品も好きです。
乙一氏の作品は、薦めた時点でネタバレになるおそれがあるので、語りにくいです。

『ダブル/ダブル』(白水社) マイケル・リチャードソン編 柴田元幸、菅原克也訳
双子や分身をテーマにした小説を集めたアンソロジーです。
ここに収録されている「被告側の言い分」は、早川書房から出ているグレアム・グリーン全集13『二十一の短編』の「被告側証人」と原作はおなじなのですが、こうしてアンソロジーとして並べられると、またちがった印象を受けるので面白いです。
このアンソロジー自体が、実はある意味で「双子トリック」というか、架空の本の片割れという「仕掛け」になっているのが、編者あとがきを読むとわかって、痺れました。

というような感じで、双子というのは心惹かれるテーマで、自分でも「双子トリック」を使ってみたいものだと思っていたので、今回の『豪華客船の爆弾魔事件』で取り組んでみたのでした。