息子の愛車

少しまえのことなのだが、保育園にお迎えに行ったとき、保育士さんが「もう、ととくんが、かわいくて~」と笑いながら、教えてくれた話である。

保育園の子供たちが、おうちの車がなにか、という会話をしていたらしい。

「こうちゃん、ぼるぼ!」
「みーくん、びーえむ!」

そこで、息子が一言。

「ととくん、べびーかー!」

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タイフェスティバル2012大阪

某日、大阪城公園で行われたタイフェスに、友人らと息子を連れて行ってきた。
タイ王国の美味しいものが集まり、会場にずらりとならんだ屋台を見た瞬間、テンションがあがりまくる。

実は、新婚旅行の行き先がバンコク・アユタヤだったというくらい、彼の地は大好きなのである。

タイ料理というと辛いモノが多いので子連れはどうかとも思ったのだが、そこは同行してくれたタイ博士(タイフェス参加は七回目)に、おすすめ料理をきいて、二歳児でも食べることができるものをチョイスしてもらった。

カオマンガイというタイ風蒸し鶏飯は、全然、辛くなかった。
息子的には、串にささった魚肉団子がヒットしたようで、ばくばく食べていた。
あと、パッタイという焼きそばも、ほどよい甘辛さで、気に入ったようだ。

まあ、あんまり辛くなさそうな肉をあげたら、ものっすごい涙目になって、むせていて、ラー油みたいな味だったりしたので、ごめん、息子よ……ということもあったのだが。

タイ料理は、屋外で食べるのが似合う。
ムエタイをながめながら、真っ昼間からビールがうまい。

それから、デザート類も、いっぱいあって楽しかった!

カノムクロックという、ココナッツミルクと米粉の甘い生地を焼いたお菓子があるのだが、どう見ても、たこ焼きである。
味はほんのり甘いのに、なぜか、中身がねぎとか胡麻というのも、微妙な味わいで、クセになる。デザートとして考えた場合、この生地の中身には、甘い小豆とかレーズンが合うと思うのだが……。

緑色のスライムみたいなぷるんぷるんした謎なデザートとか、ココナッツアイスのトッピングがコーンとか、独特のセンスがたまらん。

そんな満足満腹のタイフェスであったのだが、息子にとって、もっとも印象深かったのは「鬼がいた」ことだったようだ。

会場のなかを民族衣装を身につけ、仮面をかぶったひとが、うろついていたのである。

それを目撃した瞬間、息子は固まっていた……。

「おにだ……。おにが、いる……」

もちろん、私はうなずいた。

「うん。鬼だね。鬼がいるよ」

そして、その仮面のひとにお客さんが近づいていくのを、遠目にながめながら、こんなことを言う。

「あっ、子供が……! 子供が鬼に、近づいたよ。やばい。食べられちゃう。逃げて~。……ああ、助かった。よかったねえ」

実際には、おそらく、仮面のひととお客さんのあいだでは「写真撮っていいですか?」「どうぞ~」「ありがとうございました~」というやりとりが行われていたのだと思われるが。

そんな感じで、タイフェスで、鬼(らしきもの)を見たという経験は、息子の心に強く刻み込まれたらしい。

家に帰ってからも、ふとした瞬間、なんの脈絡もなく、唐突に、言う。

「まえ、おそとで、ごはんたべたとき、おに、いたねえ」

特におびえているというわけでもなく、ただ、事実を確認しておくというように、つぶやくのだ。

息子の世界観では、鬼が実在している。

子供は七歳くらいまで、ファンタジーの世界の住人らしい。
この豊かな世界をまだしばらくは守ってあげたいなあと思い、日々、ほらを吹く母である。

脱稿しました

去年から書いていた原稿が、ようやく、最後の一文まで、たどりつくことができた。
長かった……。時間をかけすぎだ……。

そして、この一週間、家のことがほとんどできなかった……。
ぼんやりしまくりで、土曜日が息子の保育園の親子遠足だということも、ぎりぎりまで、忘れていたよ……。お弁当はダンナに作ってもらったよ……。
仕事をしつつ、家のことや子供の世話もきちんとできるひとって、本当に、尊敬する……。
もっと、切り替えがうまくできればいいのだが、どうしても、頭が創作モードになると、日常生活がおろそかになってしまう……。

冷蔵庫が、空っぽに近い状態だ……。
部屋の散らかり具合もえらいことに……片付けなければ……。

車なし育児

うちには、自動車がない。
ダンナは酔いやすい体質で車は好きではないし、私も頭に物語が降りてくると白昼夢のような状態でぼーっとしてしまうので、とてもじゃないけれど、危険すぎて運転なんてできない。

歩くのが好きなので、車のない生活を苦には感じない。
ベビーカーを押しながら、ゆっくりと散歩するくらいのペースが、私の子育てには合っている。

自動車に対しては、排気ガスが臭いし、交通事故もこわいし(私のいとこは、車の事故で片足を失い、義足なのである)で、どちらかというと、ネガティブな感情を抱いている。

息子が歩くようになってからも、車通りがあるところでは、いつも口うるさいくらい気をつけるように言って、病的なほど警戒感を示していた。

車に慣れていないので、たまに祖父母のところでチャイルドシートに乗せられると、息子は大泣きである。

そんな環境でも、息子はある時期から車に興味を持つようになったので、やっぱり、男の子というのは乗り物が好きなのだなあ、と驚いた。

「はとぱ(パトカー)」
「うーかんかん(消防車)」
「ぴんぽんぶーぶー(バス)」

最初に覚えた単語も、乗り物関係が多かった。

「これ、よんで」

そう言って、息子が持ってくるのは、『トミカ コレクション』というミニカーの図鑑だったりする。

しかたがないので、読んであげる。

「トヨタランドクルーザー」
「スバルインプレッサ覆面パトカー」
「三菱ふそうエアロクィーン」
「松田製作所かにクレーン」

図鑑なので、文字はほとんど、ない。
延々と、車種を読みあげていくだけで、こちらとしては全然、楽しくない……。
どうせなら、もっと、物語性ある絵本を読み聞かせたいのだが……。

そんな息子の最近の望みは、こうである。

「ととくん、さんりんしゃと、みきさーしゃ、のりたいな」

そのふたつを両方とも乗りこなせるひとは、そうそういないと思うよ。

(なるべく)ダメと言わない子育て

極力、息子に対して「だめ」という言葉を使わないようにしている。
なんでもかんでも親がダメダメと禁止ばかりしては、子供の意欲をそいでしまうことになるんじゃないか、という懸念があるのだ。
それに、なにを訊いても親が「だめ」としか答えないとなると、子供は隠れてするようになるかもしれない。

つい「だめ」と言ってしまいがちなシチュエーションでも、意外と、ほかの言い方ができたりするものである。
できるだけ、否定ではなく、肯定的な言葉を選ぶようにしている。

「ごほん、よんで」
「だめ! いま、お料理してるでしょ!」

「じゅーす、のみたい」
「だめ! ごはんの前でしょ!」

「だっこして」
「だめ! そとでは歩くって約束したでしょう」

   ↓

「ごほん、よんで」
「いいよ~。お料理が終わってからね」

「じゅーす、のみたい」
「いいよ~。ごはん、全部、食べたら飲もうね」

「だっこして」
「いいよ~。早くおうちに帰って、いっぱい抱っこしよう」

ときには、どう考えても「いいよ」と言えない場合もある。
そういうときにも、できるかぎり「だめ」という言葉を使わないように工夫する。

「ちぎっていい?」
「だめ! そこのお花はちぎっちゃだめなの!」
   ↓
「ちぎっていい?」
「う~ん、お花さんがかわいそうじゃないかなあ?」

しかし、現実の子育てというのは、そうそう、理想通りにはいかないものである。
ある日、散歩中に、息子は道端に落ちている黒いブツを発見した。

「これ、なあに?」
「それ? うんこだよ」

すると、息子は興味津々の表情で、こう問いかけてきた。

「ふんでいい?」
「……………………………だめ」

ロールモデル不在の子育て

問題のない環境で育ったひとは、教育方針について、あまり悩んだりしないのかもしれない。
自分が親からしてもらったように、子供を育てればいい。

しかし、自分が育てられたやり方を参考にできないとなると、いちいち考えて、模索していくしかない。

散歩中、叱るかどうか、迷うところ

二歳児は、好奇心に満ちあふれている。
いろんなものに興味津々で、寄り道をしまくり、まっすぐ歩かない。
見るもの、ふれるもの、なんでも新鮮で、おもしろがれるその感性は大切にしたいと思いつつ、社会生活のルールも教えなきゃいけないし……で、どこまでがOKで、どういうことは叱ってでもやめさせるべきか、というのが難しい。
以下のようなときは、どう思われますか?

1 他人の家の郵便受けをさわる

2 駐輪所にある他人の自転車やおもちゃの車をさわる

3 自動販売機のおつりが出てくるところをさわる

4 道やお店のまえにある三角コーンをさわる

5 信号についている目の不自由な方のためのボタンを押す

6 公共の場にある植えこみの花や草を引っこ抜く

7 道や公園にある雑草を引っこ抜く

8 靴や靴下をぬいで、はだしで道路を歩く

9 側溝に降りて、なかを歩く