エンターテインメントノベル講座

一昨日の夜、創作サポートセンターが主催している「エンターテインメントノベル講座」で、講師を務めてきました。

内容は「童話、児童書、一般の小説」といった感じで、子供向けと大人向けの小説のちがい、デビューまでの道のりや創作方法、文章の上達に役立つテクニックなど、みっちり二時間、語りました。

もう六年目なので、慣れたものと思いきや、やっぱり、人前で話すのは、緊張する……。

このエンターテインメントノベル講座は、毎週土曜日の夜に行われているのですが、専任制ではなく、講師がたくさんいて、毎回、作家や編集者などが、さまざまなジャンルについて、それぞれのやり方を語るという方式で、私は主に「児童文学担当」というところです。

この講座、生徒さんにとって、いろんなやり方を勉強できたり、好きな作家の生の声を聞けるということで、とても好評で、わざわざ東京や名古屋から新幹線で通ってくるひともいるらしい。

私も、ほかの方が担当されている講義をいくつか拝聴したことがあるけれど、たしかに、このシステムはいいと思う。
たとえば、作家によって「プロットを書かない派」でどうやって小説を書いているのかという方法を語る先生もいれば、きっちりと「プロットを書く派」のやり方を教えてくれる先生もいて、自分に合った方法を見つけることができる。専任制だと、その講師と自分の創作スタンスが合わないと、つらいものがあるし。

生徒さんのレベルもさまざまで、ミステリ志望だったり、ライトノベル志望だったりと、すでに狙っている賞があるひともいれば、漠然と小説を書いてみたいなあと思って受講しているひともいたりするのだが、自分があまり興味のないジャンルの作家が講師のときでも、だからこそ、知らない世界の話が聞けて、面白かったり、勉強になるようだ。

そして、教える側にとっても、毎週、講座をするのは正直しんどいけれど、まあ、年に一回くらいなら……というので、引き受けやすい。
実際、売れっ子の作家であればあるほど、講座なんかするよりも、その時間に原稿を書いているほうが有意義というか、講師というのはあまり割のいい仕事ではなかったりする。
なので、こういう講師の仕事というのは、第一線を退いた作家が「後進を育てる」といった使命感でやることが多いけれども、このエンターテインメントノベル講座は、年一回、出講するという形にしているので、現役のプロ作家を講師として招くことが可能になっているのだと思う。

それに、教える内容も、ほかの先生がいることで、ミステリの構造や伏線の張り方についてはあの先生、リーダビリティの高い文章の書き方についてはあの先生、ホラーの書き方についてはあの先生、キャラクターの萌え分析についてはあの先生が教えてくれるので、自分はこれだけ話せばいいだろう、と気が楽なところがある。

あと、毎年、この講座を担当していて思うのは、社会人が多く、ほとんどのひとが自腹で受講料を支払っているだけあって、熱意があるということで、教える方としても、やりがいを感じるのだ。

この講座の実績は、卒業生が続々、デビューしたり、小説賞の最終選考に残っていることからもわかる。
特に、ある生徒さんが児童文学作家を目指しているというので、いろいろとアドバイスをしたところ、「百年の蝶」という作品で、見事、ジュニア冒険大賞を受賞して、自分の後輩としてデビューしたのは、本当にうれしかった! 深月ともみさん、おめでとう!

まあ、言ってみれば、ライバルを育てているわけでもあるのだけれども、私は「小説」というものが好きで、素晴らしい小説が書かれるのなら、それが自分の作品じゃなくてもうれしいというか、業界全体がどんどん盛りあがっていくことを願っているので、役に立ちそうな「知識」は共有していきたいなあという気持ちがあったりする。