ある日。
おやつに豆大福を食べていたところ、息子が言った。
「まえ、おもちのごほん、だでぃさんに、よんでもらった」
うん? おもちの絵本?
「おもちが出てくるような絵本、家にあったっけ?」
私が首をひねると、息子は言葉をつづける。
「おもち、たくさん、いやだ~のごほん、おうちに、あるで」
うーん、そんな本があっただろうか……。
桃太郎のきびだんご?
でも、たくさん、いやだ~って、どういう……。
と、しばらく、考えて、はたと思いつく。
「ああ、まんじゅうこわい、か」
すると、息子の顔に「ソレダ!」という満足げな笑みが広がる。
「ととくんね、はみがき、こわい!」
いや、あの話の文脈からすると、それって、はみがきをいっぱいされることになるのだが。